盲目の男たちと象
「盲目の男たちと象」という寓話を紹介します。
//物語開始//
6人の盲目の修行僧がいた。
彼らは、学ぼうという気持ちが強く、象を見に出かけた。
じっくり観察すれば心が満たされるだろう、とみんな考えていた。
最初の男は象に近づき、うっかり転んだ拍子に大きくてがっしりした脇腹にぶつかりこう叫んだ。
「おやおや、象とは壁のようであるぞ。」
2番目の男は、牙に触れて大声をあげた。
「おお!これはなんと丸くて滑らかでしかも尖っている。わかったぞ、この象というものは槍のようだ!」
3番目の男は象に近づき手につかんだのがくねくね動く鼻だったので、大胆にもこう言った。
「なるほど、象とはまるでヘビのようだ!」
4番目の男は手を伸ばしてひざのあたりを熱心に触った。
「この不思議な獣はまったくでこぼこがない。きっと象とは木のようなものであろう。」
5番目の男が触れたのは耳だった。そしてこう言った。
「まったく目が見えなくても何に一番似ているかよくわかるぞ。まちがいあるまい、この象という生き物はうちわのようであるぞ!」
6番目の男は像に手を伸ばすと、すぐにゆらゆらゆれるしっぽをつかみ、こういった。 「なるほど、象とは縄のようであるぞ!」
それからこの男たちは長いこと大声で言い争い、それぞれが自分の意見を譲らず、言い張るだけだった。それぞれ正しいところもあるが、またどれもが間違えてもいるのに!
//物語終了//
読書会では、様々な人たちが多種多様なものの見方を披露してくれます。
宜しくお願いします。